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【学生広報アンバサダー】美術館・博物館巡り@慶應義塾ミュージアム・コモンズ

はじめまして!
新しく明治大学博物館学生広報アンバサダーの一員になりました、文学部2年の山﨑その佳です!

今回は慶應義塾ミュージアム・コモンズ(KeMCo: Keio Museum Commons)さんの「さすが!北斎、やるな!!国芳」-浮世絵のマテリアリティの後期展示(2023年6月15日~7月15日)に行ってきました!

葛飾北斎と歌川国芳。教科書にもその名が掲載される二人の浮世絵師だが、19世紀、最幕末の江戸に生きた彼らには確かな接点があった。
北斎は、勝川春章率いる勝川派で修業したのちに独立し、多様な絵画様式を旺盛に吸収することで、のちに葛飾派(北斎派)と呼ばれる一大絵師集団を作り上げた。他方の国芳は、北斎の師春章と同時代のライバル絵師歌川豊春の孫弟子で、その師豊国や同じ派閥の広重はいずれも、北斎の好敵手であった。ところが所伝によれば、国芳本人は先達として北斎を慕って近づいたともされ、逆に北斎が彼の師系への配慮から親密な関係を拒んだとも伝えるほどである。
本展覧会は、慶應義塾が所蔵する高橋誠一郎浮世絵コレクションのなかから、互いに他とは一線を画するエキセントリックな表現で人気を博した二人の浮世絵師、北斎と国芳の魅力を再確認する機会としたい。あわせて、展覧会で初紹介される新出の絵師たちによる下絵群からは、彼らの生き生きとした筆さばきを十分にご堪能いただけるものと思われる。
「さすが!北斎」「やるな!!国芳」とは、今回ご覧に入れる手練れの絵師たちの作品をみて、思わず漏れてしまう自然な声ではないだろうか。理屈抜きで、まずはお楽しみあれ!

慶應義塾ミュージアム・コモンズ ウェブサイトから引用
https://kemco.keio.ac.jp/all-post/20230515/

私は日本の歴史の中でも特に江戸時代の文化が好きで、中高時代は資料集でにやにやしながら浮世絵を見ていたので、この展示に行くと決まった後はスゴイ楽しみでした。

1.北斎派?国芳派?

扉を入ってすぐに来場者に向けてのアンケートがありました!
私は北斎が好きなので北斎に投票✨同行してくださった先輩も北斎に投票!ボタンを押すと「さすが!」とスピーカーから声が!!帰る頃には国芳派になっているかもしれないな~とわくわくしながら展示会場である3階フロアにレッツゴー!!

「さすが!北斎、やるな!!国芳」展(慶應義塾ミュージアム・コモンズ)

2.いざ、展示会場へ!!

展示会場は3階に2部屋。まず慶應義塾所蔵の高橋誠一郎浮世絵コレクションが展示されている部屋、次に個人所蔵作品の部屋を回る順路でした。
※3階フロアは、通常、撮影不可なのですが、今回は特別に許可をいただき撮影させていただきました。慶應義塾ミュージアム・コモンズさんありがとうございました!

〇ここからは、興味・関心を持った作品を取り上げつつ、感想を記したいと思います!

葛飾北斎 富嶽三十六景 『礫川雪ノ旦』 天保1-5年(1830-34)頃

(撮影している私の影が映っておりますが気にしないでください…。)
北斎の代名詞である「富嶽三十六景」の一つである「礫川雪ノ旦」です。
実は「三十六景」とはいうものの好評を博して十図が追加されていたのはご存じでしょうか。私はこの展示で知りました。見どころとしては青を基調とされており、当時最先端の顔料であるベロ藍(ペルシアンブルー)と従来一般的に用いた藍色と併用したとこだと感じました。
鮮やかな青色に吸い込まれそうで興奮しました!!

歌川国芳 『安達原一ツ家之図』 安政3年(1856)

国芳の「安達原一ッ家之図」です。
こちらは、奥州安達原鬼女伝説をもとにして描かれたもので、この話を知っていた私は興奮して、ずっとこの絵を食い入るように見ていました(笑)

奥州安達原鬼女伝説をもとにして描かれたもの。京都の某公家の乳母で岩手という女が、育てていた姫の病気を治すため、妊婦の生き肝を求めて奥州安達原まで旅をする。妊婦を見つけた岩手は躊躇なく殺害するが、妊婦は実の娘であった。岩手は悲狂に暮れ、遂に鬼婆となってしまったという。

国際日本文化研究センター『怪異・妖怪画像データベース』(鬼婆;オニババ)から引用
https://www.nichibun.ac.jp/cgi-bin/YoukaiGazou/card.cgi?identifier=U426_nichibunken_0350

注目する点としては、美人画の髪の生え際の超絶技巧(毛割)!!!!
ちなみに、慶應義塾の文化コレクションを展覧会などの文化活動と合わせて発信するポータルサイト「Keio Object Hub」でもご覧になれます!
※こちらのデジタルアーカイブも充実してます!

次の部屋は個人所蔵作品が展示されています!
黒と白で構成された制作過程を見ることで、完成までの苦労を垣間見れた気がして良かったです。

個人所蔵作品展示の部屋より

3.学生スタッフ「KeMCoM」さんによる企画

展示会場を見終わった後の帰路は階段を使います。
階段を降りると階段下に何やら机が👀!!
慶應義塾ミュージアム・コモンズで活動されている学生スタッフ「KeMCoM」の皆さんによる企画です✨

写真にいるのは明治大学博物館でも参考に出来るのではないかと写真をパシャパシャ撮っている私です(笑)📸
オリジナルのポストカード制作が無料で体験できます!

何度も重ねて刷られる浮世絵の制作過程になぞらえて、ポストカードに透明のシールやスタンプを貼って押して疑似浮世絵体験を無料で行うことが出来ます🙌
ポストカードの裏にはQRコードがあり、元の絵も見ることが出来るようになっています!
私は「甲州犬目峠」(こうしゅういぬめとうげ)のポストカードをいただきました🥰

4.まとめ・感想

今回、私は初めて他大学の博物館に訪れました。
慶應義塾ミュージアム・コモンズさんは、建物がすごく綺麗で「ここが大学博物館!?」と私の大学博物館のイメージが崩れました。入って直ぐのところにあったタッチパネル式のデジタル投票企画は、展示前の心を揺さぶりワクワクしながら展示会場に向かえて楽しい企画だなと感じました。こちらも学生スタッフKeMCoMさんの企画とのことで、同じ学生団体として見習いたいと思いました🙌
今回は北斎・国芳の浮世絵と初展示の下絵群を同時に鑑賞できた貴重な体験が出来てよかったです!!
noteへの写真の掲載許可をしてくださった慶應義塾ミュージアム・コモンズの皆様、同行してくださった先輩ありがとうございました!

学生広報アンバサダー 山﨑その佳