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【学生広報アンバサダー】美術館・博物館巡り@目黒寄生虫館
ハイサイ!はじめまして!
新しく学生広報アンバサダーに加わりました文学部1年、史学地理学科西洋史学専攻の富名腰 大夢(フナコシ ヒロム)といいます。
「ハイサイ!」とあるように沖縄出身です!
今回、僕たちは「目黒寄生虫館」に伺いました。目黒寄生虫館とは次のようなミュージアムです。
目黒寄生虫館は、医学博士 亀谷了(1909-2002)が私財を投じて1953年に創設した寄生虫学専門の私立博物館です。
館内には国内外から集められた約300点の標本及び関連資料を展示しています。
1階では「寄生虫の多様性」をテーマに様々な動物群に属する多様な寄生虫の姿を標本や動画等で紹介し、2階では「人体に関わる寄生虫」というテーマで、寄生虫のライフサイクルや人間に感染した場合の症状、日本の寄生虫学研究の歴史などについて解説しています。
また、当館では研究活動に加え、啓発活動や出版活動など様々な事業を行っています。
近年の歴史学は病気をテーマにした研究が目立っています。その関連で寄生虫について知れば、自身の勉強や研究テーマ決めの刺激になるのではと、伺うことを心待ちにしていました!
次は、目黒寄生虫館で印象強く残ったことを紹介します。
1. 液体付けの標本
まず紹介したいのは、やはり液体付けの標本!館内に入るとすぐに目に入ってきました。
![](https://assets.st-note.com/img/1688461239777-yafoGApuBr.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1688471258407-cIQwpeHDnz.jpg?width=1200)
右の展示では目のまわりに寄生
寄生虫の標本は宿主と一緒に展示されているものが多いので、迫力がすごいです。また、展示されている寄生虫の採取地は広く、僕の出身地の沖縄で採れたものまで展示されていました。
次は、標本の中で目を引いた展示のうち、2つをピックアップします。
アニサキス
ひとつ目は寄生虫の代名詞?アニサキスです!
![ミンクジラの胃に寄生したアニサキス成虫](https://assets.st-note.com/img/1688461033089-ZRMszvhlZs.jpg?width=1200)
アニサキスは売られている魚に寄生しているイメージがありますが、あれは幼虫の段階だそうで…
アニサキスの幼虫が寄生しているオキアミ、魚、イカなどをクジラやイルカが食べることで寄生先を変えて成虫に至るとのこと!
成虫になるとこんなにも大きくなるとは!!驚きです。
人に寄生した場合は成虫にならないとはいえ、仮にも人体で想像してみると肝が冷えます…
日本海裂頭条虫
日本海列頭条虫(にほんかいれっとうじょうちゅう)です。見づらいですが写真左上にある真田紐に似ていることから別名、サナダムシと言うそうです。
![](https://assets.st-note.com/img/1688465531784-yjjaSpaZOo.jpg?width=1200)
この展示品は次のように説明されていました。
40代の男性が排便中、白いひも状のものが出てきた。原因は、その3か月前に条虫の幼虫が寄生したマスの刺身を食べたためだった。自覚症状は無かった。当館初代館長の亀谷了は男性に駆虫薬を飲ませて、ほぼ完全な状態で8.8メートルの虫体を回収した。1日にどれくらい成長していたことになるだろう?
人への寄生は特にサクラマスの生食によるものだそうで、上記にあるように症状は軽度とのことで、排泄でやっとわかることもあるようです。
それにしても、たったの3か月で全長8.8メートルにまで成長するなんて…
2. 拡大模型
続いては拡大模型の紹介です。
![](https://assets.st-note.com/img/1688472674002-rKx2mlJ9Kw.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1688472688945-DDyQXAffPx.jpg?width=1200)
目黒寄生虫館の二階には、蝋模型の作製に魅了された沼田仁吉さんによる寄生虫、寄生虫卵等の拡大模型が展示されています。あまり近づいて見ることがない寄生虫をこうもはっきりと細部にわたって見ると感嘆の声を漏らしてしまいます。
また寄生虫の模型では、その内部構造を見ることができる上、驚くべきことに、なんと寄生虫卵と一部の蝋模型が3Dデータで公開されています!
3. 寄生虫学
![](https://assets.st-note.com/img/1688619127075-7OOghF0iIG.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1688619142194-LBS62BE2jJ.jpg?width=1200)
上の写真は実際に使われていた描画装置を兼ねる顕微鏡です。どのようなものか簡単に言うと、接眼レンズを覗けば手元をわざわざ見なくても観察対象のスケッチが描ける!という装置です
接眼レンズの辺りから伸びている鏡によって手元の像を本体に伝え、その像と観察対象の像とを重ね合わせて見せているのだそうです。
続いて、その下にある写真は『虎の巻』といい、コピー機のない時代に手書きによって作成された図鑑になります。大変に精緻なイラストです。
このような展示品を見ると、作成にはどのくらいの時間と労力を費やしたのかなぁ~とか、どんな思いでどんな苦労があったのかなぁ~と、長々と想像してしまいがちです。寄生虫自体について知るのも良いのですが、その研究に携わる人々の歴史を知るのもまた面白みを感じます。
4. 感想・まとめ
今回、学生広報アンバサダーとなって初めての活動でしたが、目黒寄生虫館はとても興味深かったです!寄生虫の生態や成虫の姿など、知っているつもりでいた寄生虫の実態は驚きに満ち溢れていました。展示を隅々まで見るには至らなかったので、また別の機会にお伺いしたいです!
この記事をきっかけに、少しでも寄生虫を知りたい、目黒寄生虫館に行ってみたいと思ってくださる方がいれば、嬉しく思います。
学生広報アンバサダー 富名腰大夢