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【座談会】 神田学生街に暮らす⑦

これからの大学に望むことなど

──これから大学に望むことですとか、町とのかかわりの中でこのようにした方がよいのでは、ということがあれば、最後に頂戴できればと思います。

鈴木 少し前に明治大学の学生にすずらん通りを知っているかという内容のアンケートをとったら、知らないと答えた人が多かった、という話を聞いたことがあります。ということは、明治大学の学生が街に出ていないっていうことですよね。

──そうですよね。

鈴木 昔の学生は今みたいにパソコン使うわけではないし、みんな周りの街へ出て行って過ごしていると思うんですよね。逆に今の学生さんたちはどういう過ごし方をしているのか、といったところを知りたいですよね。

──学生が学生街に出てお店に行ったり、地元の方と交流したりというのはかつてより明らかになくなって来ている感じがします。コロナ禍でさらにそれが進行した感じですよね。

鈴木 それで本屋街なんか行かないで、みんな学校出たら一目散に御茶ノ水駅行って新宿や渋谷あたりに出ちゃうんですかね。それだけ街に魅力がないのか、あるいは学生がこの街に興味がないのか、そういう傾向があるような気がします。

学生の三大要素って、本と運動と音楽だと思うんです。運動と音楽、ここにはスポーツ店と楽器店があるんですけど、本屋さんがちょっと置き忘れられているみたいな感じが少ししています。街との交流として、例えば古本まつりに明大生が出ていって支援する、といったやり方もあるんじゃないかと思いますね。神田名物というとやはり古書店街だからね。

──そうですね、学生が勉強で使う本を図書館で借りるばかりではなくて、書店で求めてほしいという話を書店主さんから聞いたこともあります。
どこにお金を使うか、というのは今と昔でだいぶ変化がありますね。学生の懐具合もコロナでアルバイトなど難しい状況なのでなかなか気の毒な面もあると思うんですけど、自戒も込めていいますと、街で楽しむとか、交流をするといった意識が、教職員も含めて若干薄れている感じもしますね。
これからの街と大学の交流を考えたいですね。

大山 同じ神田にある専修大学もそうですけど、明治大学でも街とのコラボを考えている先生方がいますよね。西神田公園で海産物や野菜を販売したりとか。

──商学部実践店舗のなごみま鮮果ですね(熊澤喜章ゼミナール運営)。2019年まで神田駅前の実店舗で運営されていましたが、界隈のお祭りなどにも出店していました。
他にも商学部小林尚朗ゼミナール(ブログ:https://kobasemi.exblog.jp/)のバナナペーパーやまちチョコ、政治経済学部大森正之ゼミナールの明大エコハニー、情報コミュニケーション学部の島田剛ゼミナール(ツイッター:https://twitter.com/meiji_shimada)の神保町コーヒープロジェクトなど、途上国の原料を使用したり、都市の資源を取り出し、それを街の店舗に協力いただいて販売するといった試みをしているところもあります。
またSNSなどを活用しながら街の情報も熱心に発信しています。

大山 私もエコハニーは知っています。一瓶持っていますが、もったいなくて使えない。

渡邉 私も町会としてエコハニーの場所を見せていただいたんですけど、明治の猿楽町校舎の屋上にミツバチの小屋があってそこで蜜を集めてやっています。大森先生に伺うと不忍池の方まで飛ぶそうですよ。美味しい蜂蜜でした。渡邉 将来猿楽町ブランドで出ないかな。

──博物館の特別展「神田学生街 その140年今⇔昔」(2022年2月3日から4月10日まで 於明治大学博物館特別展示室)や関連企画においても、これらのゼミに協力をいただいて、学生たちの取組みを紹介しました。
今回の座談会では、神田に暮らすご出席者皆様のご経験はじめ、大学と街との関係について種々有益なお話を伺うことができました。大学と街がより近しく交流および発展をしていける機縁としていきたいと思います。本日はありがとうございます。

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めいじろうと記念撮影2021年11月30日 明治大学博物館会議室にて実施

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