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【学生広報アンバサダー】美術館・博物館巡り@学校法人北里研究所 北里柴三郎記念博物館

はじめまして!
今秋から新しく学生広報アンバサダーになりました、
情報コミュニケーション学部1年の津島聖也(つしませいや)です。
よろしくお願いします!!

さて、今回は、「学校法人北里研究所 北里柴三郎記念博物館」をご紹介します!

北里柴三郎博士といえば、そう!
2024年7月3日から発行されている新千円札に博士の肖像が描かれています。
私たちの生活の中で、とても身近な存在となった北里博士について深く知りたいと思い、今回訪問させていただきました!
この記事では、ほんの少しにはなりますが、北里柴三郎記念博物館の魅力をお伝えします!

※なお、通常、博物館内は写真撮影不可ですが、今回は特別に許可をいただき、撮影させていただきました。


1. いざ、到着!

北里大学白金キャンパス内にある、北里柴三郎記念博物館に到着!
北里柴三郎記念博物館は、もともと「北里柴三郎遺品室」でしたが、1997年に「北里柴三郎記念室」として一般公開を始め、2023年に「北里柴三郎記念博物館」となりました。

エントランスでは、さっそく北里博士がお出迎え!

博物館は、2つの展示室で構成されています!
まずは、展示室1に入ってみます!

2. 北里柴三郎博士ってどんな人?

展示室1には、常設展と特別展のそれぞれのコーナーがあります。
常設展では、北里博士の誕生から亡くなるまでのあゆみを、多くの貴重な資料とともに展示しています。

北里博士は、1853年1月29日(旧暦:嘉永5年12月20日)に、現在の熊本県阿蘇郡小国町に生まれました。
18歳の時に熊本医学校に入学し、医学の道を志すようになり、32歳でドイツに留学します。

熊本医学校時代に北里博士が師事した
オランダ人軍医マンスフェルトの講義ノート

ドイツ留学中、病原微生物学研究の第一人者であるローベルト・コッホ博士に師事し、1889年、破傷風菌の純粋培養(その一種類だけを育てること)に成功し、翌年には、その破傷風を治療する血清療法を発見します。
これにより、北里博士は世界的な細菌学者として名声を博すようになったのです!

1889年、ドイツ医学週報に掲載された、
博士の直筆論文
「Ueber den Tetanusbacillus(破傷風について)」
ドイツ語で11ページ、びっしりとかかれています!

その後も、ペスト菌の発見や、「私立伝染病研究所」(のちの国立伝染病研究所)や北里研究所の設立などを通して、現在へとつづく近代日本医学の礎を築き、1931年(昭和6年)6月13日に78歳でその生涯を閉じました。

博士が受章した勲章の数々
日本のみならず、ドイツ・ノルウェー・フランスのものも!

ここからは、私が特に印象に残った展示を2つご紹介します!

① 研究者・北里博士の机と顕微鏡

博士の机の再現と、愛用していた顕微鏡

こちらが、北里博士の机(再現)と愛用の顕微鏡です!
机上には、おしゃれな時計やコップとともに、フラスコや試験管も置かれています。顕微鏡は、ドイツZeiss社製のもので、かなり使い込んだ様子が見てとれます。
実験や観察をもとにした正確性を何より重視した博士の細菌学者精神が強く表れていて、思わず博士の姿が浮かんでくるような机と顕微鏡です!

② 今と変わらない! 絵で学ぶ結核

『結核退治絵解』

1913年に、「栄養学の父」といわれる佐伯矩(さいきただす)博士が作成し、北里博士が校閲した『結核退治絵解』。一般の人びとにもわかりやすいように、イラストとともに病気の原因や感染経路、治療法、予防法を示しています。感染経路として、「密集雑居」が挙げられていることなどを見ると、今も昔も感染対策に対する意識は変わらないことに気付かされます!

3. 博士の意志を受け継ぐ人びと

続いて、展示室2へ!
ここでは、「学統を受け継ぐものたち」ということで、博士の理念を継承した教育者・研究者・医療人たちについて展示しています。
特に、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智博士のコーナーでは、ノーベル賞のメダル(複製)や、大村博士が発見した新物質に関する展示を行っています!

この図に示されている物質、なんとすべて大村博士のチームが発見したものなんです!
2024年現在、その数は約520種類にもなるそうです! 多い……!!

「学統を受け継ぐ」とは、博士の研究の内容のみならず、展示室1でみたような、「医学で人類を幸福にする」ために、博士の一貫した真摯な姿勢そのものが、現代の研究者にまで引き継がれることなのだと教えてくれる展示室でした!

4. お札に描かれた人びとの意外な関係!? —特別展開催中!—

最後に、現在開催中の特別展についてご紹介します!
その名も、『北里柴三郎が語る「お札の話」—世界を熟知した先人達の功績—』です!

実は、北里博士は、生前、これまでお札に描かれてきた多くの人びとと関わりがありました。
例えば、千円札肖像の先輩である野口英世は、博士の伝染病研究所における弟子だったのです!
北里博士は野口に対して、横浜開港検疫所検疫官や、ペスト国際予防委員会の一員に推薦したり、アメリカ留学を後押ししたりしました。

野口英世が北里博士に宛てた書簡
北里博士が男爵となったことを祝う内容で、
二人の関係の深さが伺えます!

ほかにも、私立伝染病研究所の創立時に、福沢諭吉(旧一万円札)が北里博士を支援したり、渋沢栄一(新一万円札)とは同じ医療団体に在籍したりという関わりがあったそうです!
今回の特別展では、そうした関わりを紹介するとともに、新紙幣のデザインや造幣技術についても展示されています。ちなみに、新紙幣に描かれている北里博士の肖像は、50代のころのものなんだとか!
皆さんもぜひ期間中に訪ねてみてください!

特別展『北里柴三郎が語る「お札の話」—世界を熟知した先人達の功績—』
展示期間:2024年7月3日(水) ~ 2025年3月31日(月)
 (2024年10月末までの予定でしたが、大好評につき、一部展示を入れ替えて期間延長となりました!)

5. まとめ・感想

私自身、一人の人物に焦点を当てた博物館を訪ねることはなかなかないため、とても新鮮でした!
とりわけ、博士の業績についてだけでなく、その発見に至るまでの、観察と理論の両方を大切にした博士の心を感じました。そして、医学・科学の面から人びとに尽くした博士の姿勢や、先人たちとの縁、現代を生きる私たちの生活との密接なつながりに気付くことができ、とても勉強になりました! 
「学問・研究」を志す、私たち大学生こそ、博士の姿勢から学ぶことがたくさんあると思います!

今回の取材を快くご了承いただいたのみならず、当日同伴してくださった総務部広報課の佐々木さん、そして、学芸員の遠藤さんをはじめとする博物館の職員の皆さん、本当にありがとうございました。
また、同行してくださった学生広報アンバサダーの二人もありがとうございました!

長くなりましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました!
ぜひ皆さんも北里柴三郎記念博物館に訪れてみてください!

学校法人北里研究所 北里柴三郎記念博物館
 〒108-8641 東京都港区白金五丁目9番1号
博物館HPはこちら👇

学生広報アンバサダー1年 津島聖也