学芸研究室から(第9回)【考古】明治大学記念館前遺跡の胞衣(えな)容器
博物館常設展示室入口の導入展示コーナーでは、駿河台キャンパスのリバティタワー建設時に発掘調査された明治大学記念館前遺跡から出土した土器や木製品など、江戸期の考古資料を展示しています。
多くはごみとして捨てられた状態で出土した日常生活の道具類ですが、そのなかで唯一祭祀に使われたものがあります。直径20㎝ほどの素焼きの土器が2枚合わせ口になった“胞衣皿(えなざら)”と呼ばれるものです(写真1)。
“胞衣(えな)”とは、妊娠時に子宮内につくられる胎盤のことです。胎盤を通して母体